久しぶりのよいニュース、アレバに有罪判決!

南仏ニーム控訴審で9月30日、アレバ社とその子会社ソカトリ社による水汚染および事故発表の遅れに対して、有罪が言い渡された。罰金30万ユーロ、原告団体に賠償金23万ユーロ(加えて16万ユーロの利子)、原告個人に7万ユーロが支払われる。巨大産業アレバにとって、これは微々たる額だろうが、有罪となった意味は大きい。

先日の南仏核施設事故のように、放射性物質が漏れてもただちに拡散してしまい、夜にはもとのレベルに戻るので、事業者は「放射能漏れはなかった」と簡単にいいくるめてしまう。発表の遅れが間近にいる人々にとって致命的となる恐れがあるから、これに対しても有罪判決が出たことはたいへんうれしいことだ(もちろん、原告が訴状に盛り込んでいた)。

国家事業のアレバが有罪になったのは、これが初めてではないか。
福島以降のフランス世論の変化、南仏核施設での度重なる事故発生が司法にも影響を与えていると思われてならない。


日本でも東電などに対する訴訟が準備されていることと思うが、この図を見ると、アメリカ、カナダやロシアが東電を訴えても不思議ではない。国際司法裁判所は国家間の係争を扱う機関だが、国際的な公害訴訟を扱う裁判所はないのだろうか。10年後にガン患者がでるのを待つ必要はない。すでに汚染はあきらかなのだ。

トリカスタン原発事故:2008年の7月8日、南仏トリカスタン原発(ヴァランスとアヴィニョンの間にあり、核燃料処理工場と原子炉4基を擁する)で、30立方メートルの放射性排水が付近の運河や河川を汚染したが、アレバ社とその子会社ソカトリ社はASN(仏原子力安全局)への報告義務を怠り、近隣住民にもこれを知らせなかった。広島の原爆93個に相当する75kgのウランが水中に放出され、飲料水や遊泳地を汚染した。昨年10月、軽罪裁判所で、このような重大な事故をASN(仏原子力安全局)に報告しなかったかどで、同社は4万ユーロの罰金を言い渡された。しかし、水汚染に対しては無罪放免となったため、脱原発団体、グリーンピース、CRIIRADなどが控訴していた。