原発に投資する銀行と取引停止

最近、私が口座を作っているフランスの銀行が、問題となっているインドの原発やブラジルの原発に大口出資していることがわかり、ショックを受けた。というより、これまでの無知を恥じた。

よくない会社,組織にピノキオ賞という賞を与えている環境団体「地球の友」は今年、私がささやかなお金を預けている銀行を受賞候補にとり上げた。ブラジルのアングラ3原発とインドのジャイタプール原発に投資している世界4番目の金融機関だというのだ。ブラジルのこの原発は、ブラジルで最も重要な2都市、リオデジャネイロサンパウロの間の土砂崩れ頻発地帯にあり、万一の事故の際逃げ道が塞がれる、と地元民が反対し続けている。両原発とも、請け負っているのは仏アレバ社だ。

また、銀行のあやしい投資先をリストアップしているサイトも見つけた。
http://www.banktrack.org/
このサイトは、英仏西中の4カ国語で読めるが、残念ながら日本語はない。中国語があって日本語がない、というのも時代の流れだろう。でも、倫理的、人道的な投資をする銀行を探す中国人がどれだけいるのかしら、と思うが。
サイトのbanksというタブをクリックすると、東京三菱やみずほ、住友三井の3行がリストアップされている。ちなみに中国の銀行は7行入っている。銀行名をクリックしたあと、practice をクリックすれば、倫理的、環境的によくない主な出資先のリストが表れる。
http://www.banktrack.org/show/bankprofiles/bank_of_tokyo_mitsubishi_ufj

一人一人の預金額はたいしたことがなくても、集まれば巨額となる。こうして私も、知らないうちにインドやブラジルの原発開発に手を貸していたのだ、と痛感。日本の銀行も、東電や九電に投資しているに違いない。私たちは、銀行に預けたお金の行方についてもっと関心を払い、監視していかねばならないと思う。
たいして入っていない口座だが、さっそく閉鎖して、倫理的投資をする銀行に乗り換えるつもりだ。 ちなみにフランスでは、Nef とかCredit Cooperatif が代替エネルギーなどに出資している金融機関である。

皆に呼びかけたい。金融危機のいま、どこに預けたって儲からないのだから、この際、原発などに投資してる銀行から口座を引き上げたらどうか。脱原発を言うなら、そこまでしなければおかしいじゃないの、と最近思い知ったばかりの私が言うのもおこがましいかもしれませんが...。ちなみに日本だと、最近、理事長が脱原発宣言を出した城南信用金庫。理事長が変わってもこの方針が変わらなければいいのだが。ほかにもこれに続く金融機関があるのかな。