パリもオバマニア





パリの数カ所で、テレビの選挙速報を見ながら、アメリカの新大統領誕生を祝おう、という催しが開かれた。時差の関係で、催しはみんな夜中に始まり、大統領が決まる明け方まで続く。共和党民主党の両方が参加するパーティもあったが、 私は、オバマ・パーティに参加した。会場はポルト・マイヨーのディスコ(今はクラブというのかな)。クラブ通いが似合う若者が多数派だが、私のような年配者もぽつぽついるので、安心して並んで待った。行列は長くなるばかりで、やっと午前1時近くになって、会場に入れた。

中はすごい熱気だった。多種多様なオバマTシャツを来た人が目立つが、黒人白人、老若男女、さまざまな国籍と、まさに世界の人々のサンプルがこの小さな空間にひしめいている。
CNNの選挙速報で、刻々と変わる投票獲得率を見ては、歓声をあげたり、ブーイングしたりするのは、サッカーのワールドカップでも見ているようだが、みんな、ブッシュ政権の8年で悪くなった世界を少しでもよくしたい、と考える人たちなのだ。

オバマ当選が決まったのは明け方5時ころ。大歓声に続いて、アメリカ人とフランス人が抱き合い、トルコ人とイギリス人が抱き合い、日本人とトーゴ人が抱き合うのを見るのは感動的だった。これほど多くの国の人が、世界一の強大国とはいえ、よその国の大統領選挙をわがことのように心配し、その結果に歓喜しているのだ。

メトロの始発で家に戻ったら、オバマ次期大統領の演説が放映されていた。感動的な演説だった。