臨時上陸許可をもらう(それが悪夢のはじまりだった)

7月23日、デリーに着陸する直前、ランディングカードを書く必要があった。ビザの期限を記入しなければならないが、7月7日から6ヶ月って、何月何日だろう、と指折り数えていると、隣に座っていた友人が、「7月7日が期限ってなってる!」と叫ぶ。
えー!!! 途方に暮れるが、じたばたしても仕方ない、入国審査のとき、正直に話そう。

ビザに問題のない友人も私と一緒に別室に連れて行かれた。事情を説明したが、「パリに戻るしかない」と係官はいう。「カトマンズに出るのはどうでしょうか」と聞くと、「それでもいい」。ビザなしの客を運んだ責任があるインド航空も立ち会っていたので(パリでの搭乗前ビザチェックはスルーだった)、カトマンズ行きの空席を調べてもらう。空席があった、というので、クレジットカードを渡して切符の手配をしてもらおうとした寸前に、係官が「いいニュースがある」。40ドル払えば、臨時上陸許可をあげられる、というのである。それは有り難い。お金を払って、許可をもらい、パスポートにTLFというスタンプを押してもらう。ところが待てよ、15日有効、とある。「15日後はまだ山の中なのですが」と聞くと、その前に立ち寄る町でSPオフィス(外事警察のようなもの)に行って延長してもらいなさい、この領収書を見せれば、支払いは済ませているので、無料で延長してもらえる、というますます有り難い話だ。

「インド人って親切じゃないの」といいながら、能天気な私たちは、ヒマチャルプラデシュのマナリへと旅立った。