リビアのカダフィ大佐が、パリに商談をしにやってきた。

テレビで見ると、3年前、トリポリで見たビルボード(写真)とまったく同じ出で立ちだ。これがリビアの元首の正装なのかしら。

100億ユーロ、3万人に5年間の雇用が保証されるほど、大きな商談だ。朝日Comには、リビアが買うのはエアバス21機などとあるが、フランスの新聞を読むと、対空レーダー、軍事ヘリコプター、ミラージュなど、軍需のお買い物だ。
ブランド贅沢商品だけがフランスのおハコではなく、フランスは、アメリカと並ぶ武器商人であることを思い出した。
ブッシュと仲良しのサルコジ大統領は、この間の訪米で、きっとこういう話の根回しもしてきたに違いない。

「ジョージ、お宅も対リビア禁輸措置を解除してるから、何でも売っていいだろうけど、今回はぼくの方がもらっていい?」
「いいよいいよ、ニコラ。うちはいま、イラクでいっぱい使ってて、生産が追いつかないほどだからね。今後、イランにだって使えるかもしれないし」

セールスマンに徹する大統領のそばで、怒っているのが人権担当大臣だ。外務大臣は、「カダフィは変化した。テロリストから反テロへの協力者になりつつある」と、サルコジを擁護しながらも、「ドイツ外相との会談があるので」、これ幸いと晩餐会には欠席した。もちろん、リビアのテロでフランスの飛行機が爆破され、家族を亡くした人々はおおいに怒っており、大統領に釈明を求めている。