ヒンデミットのオペラ、カルディヤック


オペラ・バスティーユに、ドイツの20世紀作曲家ヒンデミットのオペラを見に行った。
自分の作った宝飾品を愛するあまり、注文主を殺しては作品を取り戻す狂気の宝石細工師の物語だ。幻想小説家ホフマンの、17世紀を舞台にした作品を作曲家と同時代のパリに置き換えたものだ。自分より宝飾品を愛する父を愛し、求愛者のもとに走るのをためらうけなげな娘に、アンゲラ・デノケ。アールデコの舞台、1920年代のポスターから抜け出たような柳腰の衣装のデノーケ、その清澄な声、大野和士の指揮と、すばらしい組み合わせだった。

私のような伝統的なオペラ・ファンには、馴染み薄いメロディだったが、一緒に行った友人(現代曲を作る作曲家)にとっては、きわめて「クラシック音楽」だったらしい。

ベルディやプッチーニが好きだけれど、新しい趣向のものも、たまにはいいですわ。