エッフェル塔のもと、旗めくチベット旗

   
   

トロカデロで、中国によるチベット人抑圧に抗議する集会があった。「国境なき記者団」のサイトで知ったので、行ってみた。

エッフェル塔の対岸、シャイヨー宮前の広場。強風のなか、フランス国旗とチベット旗が旗めく。フランスに住むチベット人は500人くらいらしいが、その半分がいたのではないか。台湾人も20人ほど横断幕を掲げていた。テレビニュースでは、2000人集まったというが、チベット好きのフランス人が多いのに2000人はちょっと少ないなあ。

水色地に三日月と星の旗を掲げ、ウイグル帽をかぶるグループがいた。何の旗か聞くと、東トルキスタンだという。「新疆ウイグルね」と言うと、違う、と怒られた。新疆ウイグル自治区という呼称は、中国が併合してつけた名前で、彼らはあくまで、「東トルキスタン人」なのだ。

チベット問題は、台湾問題、新疆ウイグル問題、そのほか、私たちの知らない民族問題につながるので、中国政府も譲らないのだろう。
東トルキスタンがどのように中国に併合されたのか知らないので何も言えないが(知らないなら、これを機会に知るべきだが)、チベットの武力併合に関しては、中国に正義はない、と思う。
(眠くなった。また明日続きを書こう)

(続き)
ネットで日本の新聞を読むと、同じ日に東京でも、在日チベット人や難民支援グループなど70人がデモをしたという。パリでは2000人でも少ないと思ったが、パリより大きな東京でわずか70人とは! 
パリに限らずフランスでは、デモは日常茶飯事だ。職業にかかわらず、権利の主張や抗議のためにデモをする。その習慣の違いを差し引いても、日仏のこの関心の差の大きさに驚く。

パリのデモでは、チベット人、プラカードや旗を用意してきた支援グループがもちろん目立ったけれど、私のようなふつうの人で、チベット文化圏を旅行したりしてチベットに多少とも関心があり、今回の武力弾圧に胸を痛めている人も多くいた。
日本でも、チベットおよびその文化圏を旅行した人は多いだろうに。意思表示したいと思っても、デモなどするのは特別な活動家だけ、という意識があるのだろうか。それとも、平和な日本に戻ると、 世界が再び遠く感じられるからなのだろうか。