初めて聞くラン・ラン

午前は、ラン・ランのピアノとヴァディム・レーピンのヴァイオリンとバルトリの組み合わせ。はじめて聞いたラン・ランは、バルトリと息もばっちり。ピアノあるいはヴァイオリンと歌の、お互いの入り方は、ジャズのジャムセッションのようだった。「私の番ね」とでもいうように、自分をちらっと指して歌い始めるバルトリ。温かい人柄がにじみでる。
ラン・ランは弱冠25歳、たいへんなテクニークのピアニストだ。しかし独奏より、バルトリとの競演が印象的だった。
夜のコンサート。バルトリは白と赤のドレスでお色直し。

夜は、上記3人に加えて、チョン・ミョンフン指揮のラジオフランス・フィルハーモニー
なんという贅沢なメンバー!

最後のアンコールでは、プログラムにはないサプライズがあった。フラメンコのギタリスト、カスタネットが登場して、バルトリがフラメンコを歌ったのだ。なんというエネルギーだろう。スペイン人のマリア・マリブランの父親(父親もオペラ歌手)が作曲したものではないか、と友人が言っていた。出ずっぱりで歌ったバルトリにアンコールを強要したくはないが、それでも拍手は鳴り止まなかった。

夜中、家にもどる途中、うしろからヒタヒタと足音が聞こえる。怖くなって振り返ると、我が家の下に住む夫婦が、この夜のプログラムを持って歩いていた。