クリスマスに思う

シャンゼリゼのイリュミネーション
ギャラリーラファイエットの外観
ギャラリーラファイエットのドームの飾り

ブログに写真のアップロードができなかったので、しばらくほったらかしておいた。すると今日、友人から「ブログお休みですか、お元気ですか」というメールが来た。そうだ、ブログが更新されないので、家族か友人かが家を訪ねていって、死んでいたことが分かった、という話があった(よほどきっちり更新していた人に違いない)。生きてる証拠として、きっちり継続しなくっちゃ。

私はビジュアル人間なので、写真が入らないと、いきおい、書くのもおっくうになってしまうのだが、今日再度、ブログ写真のアップロードを試してみたら、できた! 「はてな」の故障だったのかな?(ついでに前回、前々回の日記にも、写真をアップした)

で、今日さっそく、パリのクリスマス風景の写真をアップ。この季節に、なにも珍しいものではないのだが、みょうなことに気づいたので書いてみる。
ノートルダム寺院前のツリー
クリスマスツリーやクリスマス飾りは、樅の木に金銀赤などのボール、というのが一般的だが、この風習は15世紀初め、ドイツで始まったと言われる。ドイツだから雪を冠った樅の木で、ボールはもともと赤いリンゴだったのだろう。アダムとイブの「善悪の知識の木の実」は、ラテン語の「悪」と「リンゴ」が、意味が異なる同形の単語だったことから、リンゴとされるようになったらしい。キリスト教が生まれた地中海世界には、樅の木はなく、初期キリスト教の図像に登場する木といえば、ヤシとブドウ、オリーヴだ。
ヤシ、ブドウの地中海世界(初期キリスト教)と樅の木のドイツ(新教)のあいだに、何かそれを繋ぐものがなかったかーー。

などと考えていたら、ルーヴル美術館のマンテーニャ展で、これだ、と思われる絵に出くわした。マンテーニャ(1431-1506年)はパドヴァ出身のルネサンス画家で、後にマントヴァのゴンザーガ家の宮廷画家になった。写真は、聖母子の前でゴンザーガ家当主が戦勝のお礼参りをしている油彩画だが、聖母子の後ろが、まるでクリスマス前のデパートのように飾りつけられている。緑はもちろん樅の木ではなく、イタリアでよく見られるオリーヴや常緑の木だ。果物は、リンゴ、カリン、メロンなど、古代から地中海で栽培されていたものや、ルネサンス期にもたらされた柑橘類が描かれている。

果物や鳥は、4、5世紀の初期キリスト教時代以来、楽園を象徴するシンボルだ。ドームから下がっているサンゴは、木の形をし、かつ赤いことから、十字架のシンボルとみなされるというが(ミシェル・フイエのキリスト教シンボル事典による)、ドイツではサンゴは一般的でないためか、クリスマスツリーに使われることはなかった。

この絵はクリスマスとは何の関係もないが、キリスト教がもたらす「楽園」「豊穣の世界」のこうした図像も影響して、現在のクリスマスツリーや飾り付けに発展してきたのではないか。

こう考えると、デパートやブティックのクリスマス飾りも、単なる商業主義とあなどれないものがある。