フランス料理の学校、フェランディ校でオープンデー

ただで楽しめる催しに詳しい友人が、フェランディ専門学校(正式名称は、パリ商工会議所フェランディ校)のオープンデーに誘ってくれた。フランス料理、お菓子、製パンのみならず、レストラン給仕、販売員などのスペシャリストを養成する有名な学校だ。これから入学したい学生のガイダンスのためのオープンデーだが、試食したり焼きたてのお菓子やパンを買ったりできるので、たいへんな人出だ。

お菓子作りの部屋では、大テーブルを囲んで、学生たちがバラの飴細工にいそしんでいた。日本にも昔、夜店に飴細工師がでていて、ひょっとこやフグなどを作っていたが(今はどうなのだろうか?)、フランスの飴細工は、ウェディングケーキなどを飾る華麗な花が主流だ。飴生地を温めておく電気コンロや、ヘアドライヤー、様々な器具が並んでいる。その奥では、2m x 6mはありそうな大理石のテーブルでタルトやクッキーの生地を伸ばしていた。白い上っ張りを着て、真剣な顔つきで作業をしているが、顔はまだまだ幼ない。この学校は、プロむけの高等コースや日本人のための短期コースもあるが、専門学校としては15歳までの義務教育を終えてから入学するので、生徒のほとんどが10代後半だ。

ケータリングの部屋では、焼きマッシュルームのシブレット・ソースと、野菜ラビオリのニンニク・ソース添えが並んでいた。料理人は20歳くらいの若者たち。あんまりおいしいので、いくつもいただいた。壁には、学生の顔写真と年齢、将来の希望を書いた表が貼ってある。野菜ラビオリを作っているのは、将来の希望を「ニューヨークで働くこと」と書いていた19歳だった。「こんなにおいしいのだから、きっとニューヨークで働けるわよ」と、たっぷり試食させてもらったお礼に、私たちはこの少年をはげました。

製パンの部屋では、15歳くらいの少年がパン・オ・ショコラの生地をのしている中、バゲットどんどん焼き上がっていた。

料理大国フランスを支える若者の層はほんとうに厚い。

この学校では、8日前に予約しなければならないが、お昼に、学生が作った料理を25ユーロで食べることができるという。今日はカメラを忘れたが、今度はカメラ持参でお昼を試してみたい。