盲学校でコンサート

昨夜、友人に誘われて、詩と音楽の夕べに出かけた。パリ書籍見本市の一環だという。
番地を頼りに歩いていたら、盲導犬を連れた人がたくさん同じ方向に歩いていた。探し当てた番地は、たいへん立派な建物で、「盲学校」と書いてあった。
詩の朗読コンサートが開かれたのは、盲学校の中のこれまた立派なチャペルだった。盲人のためのコンサートに紛れ込んでしまったのか、と私たちは主賓やその犬に迷惑をかけないよう、端っこに座ってひっそりしていた。
盲学校だから、音楽教育が特に重視されているのだろう、舞台の背にはそこいらの教会より立派なパイプオルガンが備わっていた。客席の仕切りの向こうには、教会ドームの金色のモザイクが輝いていた。目が見えない人にも、荘厳な雰囲気が伝わるのではないか、と思われるほどの立派さだった。

朗読は、ヒメネスの「プラテーロと私」。アンダルシアのギターと、チェロの伴奏がまたすばらしい。ふわふわのロバのプラテーロが草原にでかけ、花に出会う、という詩を聞いているうちに、私はすっかり眠ってしまった。何匹もの盲導犬が、詩の朗読の間も、じっと主人の足下に横たわっていた。