ヨナス・カウフマンのローエングリン

「ねえ、カウフマンのリサイタル、来年3月にあるって言ってたじゃない?切符、もう買えるのかしら?」
アムステルダムの友人から電話があった。私以上にオペラ狂いの彼女は、ロランド・ビラゾンのファンだったが、いつの間にかヨナス・カウフマンに宗旨替え。彼女からDVDを見せられてもう一人ファンが増え、結局、シャンゼリゼ劇場でのリサイタルチケットを3枚、ネット予約することになった。バスティーユ・オペラの2月の「ウェルテル」(マスネ作曲)ももう入手ずみだ。

私は昔、予約して行動するのが大嫌いだったが(あの束縛感が嫌なのだ)、オペラを楽しむには、何ヶ月も前から計画を立てる必要がある。
7月なかごろ、インドへ出かける1週間前にも、この友人とミュンヘンのオペラ劇場にローエングリンを見に行った。と言えば豪華に聞こえるが、これは絶対見逃せないオペラだ、と思ったから、3月にチケットを買い、ホテルも飛行機も予約した。早く予約すれば、飛行機も比較的安く買える。
ヨナス・カウフマンローエングリン、というだけでゾクゾクする。白鳥の曳く船に乗ってプリンセスの前に登場するローエングリンが、いくら声がよくても太ってたり、あまり美しくない男性だと、困るのだ。