ヨナス・カウフマンのドン・カルロ

先週、所用でロンドンに行った。ロンドンには友だちもいないし、楽しいことはひとつもないので、空き時間にはできるだけおもしろいことを探して、少しでも楽しく過ごそうと努めている。
夜ひとりでレストランに入るのはいやなので、中華街で卵タルトとスポンジケーキを買って、 オペラ、ダンス公演、映画に行くのが常だ。

今回の最大の楽しみはコヴェントガーデンのドン・カルロだった。ヨナス・カウフマンが歌うドン・カルロに合わせてロンドンに行き、ついでに用事をすませた、というほうが正確かもしれない。
コヴェントガーデンのドン・カルロローエングリンと違って、最初から最後まで、着たきり雀とはいえ、ほぼ舞台に出ずっぱり。カウフマン目当ての私には最高に見応えがあるオペラだった。「副産物」は、ドン・カルロの親友ロドリゴを演じたバリトン歌手サイモン・キーンリーサイドの「発見」だ。イギリスではとても有名らしいが、私は初めて聞いた。

ドン・カルロロドリゴのデュエットは、ドン・カルロエリザベート姫の愛のデュエットより強くて美しく、男2人の友情は男女の愛よりも強いのではないか、と思ってしまうほどだった。

明日にでも、ロンドンのフリーメーソン本部の見学について書いてみる。先週末は、ロンドンもパリも、歴史建造物を公開する週末だった。