ロンドンでフリーメーソン本部を見学

10年以上前のことだが、ロンドンのホルボーン近くで、全ブロックを占める巨大な建物の横を通りがかった。大勢の人が働いている建物ではなさそうで、全体がひっそりしている。何の看板もなく、どこかの大銀行の本店か、と思って入り口を見たら、記憶は鮮明ではないが「Grand Lodge」とか書いてあった。あとでそれが、フリーメーソンのイギリス本部(イングランドウェールズのみ。スコットランドは別にある)だと知った。

先週末、ロンドン、パリはじめ欧州のいくつかの都市で歴史建造物公開デーが開催された。毎年9月に開催されていて、パリではこれまでに、大行列に並んで上院議会、パリ市役所、フランス中央銀行などを見学したことがある。ロンドンは初めての経験だが、フリーメーソンにも入れると聞いて、朝一番に行ってみた。


建物前には行列が出来ていた。最後尾についてしばらく待ったが、年配の人はぜんぜんおらず、パンクっぽい服やゴシック風の若者ばかり。こんな子たちもフリーメーソンに興味があるのか、と感心していたら、この列はロンドン・ファッション・ウィークのイベントを見る人の列! 同じ建物の角にある中央玄関に移動すると、行列はなく、拍子抜けするほどすぐ、中に入れた。

入り口ホールからして巨大で絢爛豪華、きんきらきんである。写真を1枚撮ったが、撮影禁止だと注意された。やっぱり「秘密結社」だ、と思ったが、入り口ホールの展示ケースには、ここで撮影された映画の写真がたくさん並んでいたし、ファッション・イベントにも場所を貸すくらいだから、それほど隠し立てしているわけではなさそうだ。だいいち、各支部はほとんどウェブサイトを持っている。
神殿周りの中庭
建物(1927-1933年)の見取り図もくれた。巨大すぎてわからなかったが、形は変形ペンタゴンで、中央に大神殿がある。5辺のなかで一番短い1辺が、3重になった入り口ホール(一番奥に、大神殿入り口がある)、2辺が事務棟、あとの2辺が図書室、博物館となっている。