2週間の侃々諤々に終止符

ジャン・サルコジが自ら、デファンス地区開発公社(EPAD)のトップへの出馬を取りやめ、EPADの理事にのみ就任することになった。フィガロ紙は「息子は父を思って自ら犠牲になった」。
10月18日のブログに書いたように、この出馬を巡っては、フランス中から「身びいきだ」という反対の声が沸き上がっていた。大統領は「このポストは給与の出ない名誉職、しかも選挙で選ばれるのだから、身びいきじゃない」と必死で抗戦していたが、おそらくは、「父さんの人気が落ちて困るよ」「じゃあ、ボクあきらめる」ということなのだろう。もちろんジャンは、出馬断念の発表でも「父でなく自分の決断だ」と一生懸命訴えていた。

それにしてもフランスは、国民が反対の声をあげることで、情勢を変えられる、まだまだ健全な国であるようだ。人気ばかり気にする大統領というのも、ある意味では分かり易く御し易い。

国内の、しかも一地区の話なのに、この発表に外国メディアが200人も集まったという。

豚インフルやらサルコジやらマスコミが大々的に報道するなかで、もっと大事なことが世界では起こっている。アルジャジーラ・インタナショナルを見たら、忘れられた地エチオピアでまた飢饉が深刻化している、というニュースがあった。
アルジャジーラ・インタナショナルは、アラブのテレビ局アルジャジーラの英語国際版で、ほかでは報道されない地域のニュースをきめ細かく追っている。アラブ世界のプロパガンダ放送局か、と最初は誤解していたが(アルカイダがオサマビンラデンのビデオを送りつけたりしているので)、ちょっと前までBBCに出ていた人が引き抜かれてニュース番組に出ていたりする。現地ジャーナリストならではの奥深いドキュメンタリーが放映されたり、欧米メディアの目が届かない地域の現状が分かるので、よく見ている。