25人が自殺、フランステレコム

もし、これ以上の率で自殺者がでる組織があれば、組織の中で何か妙なことが起きている、と疑うのが当然だ。電信電話のフランステレコム(社員約10万人)では2008年2月から今まででーーということは20ヶ月でーー25人が自殺して、社会問題となっている。
経営陣はこれまで冷淡だったが、社内外で批判が強まるのに対応して、今年末まで構造改革、強制的な人事異動を中止すると決定した。同社では、国営事業の民営化後、多数の強制解雇を実施し、リストラ、強制異動を続けている。
自殺した人の年齢層をみると、ほとんどが40-50代。安定した公務員として入社したのに、途中で会社が民営化してしまい、競争社会への対応を余儀なくされた人々のストレスは計りしれない。

すると今度は、PSA(プジョーシトロエン自動車産業)である。
24日の金曜日、40歳代の社員が社内で自殺する事件がおきた。PSAでは、生産性向上プログラムを開始した2007、2008年にも6人の自殺者を出している。会社側は「仕事上の問題はなく、個人的な問題があったことは把握していた」というが、会社で自殺、というのは、会社への抗議が隠されているように思えてならない。フランステレコムで9月、事務所の窓から飛び降り自殺した女性は、ひっきりなしの強制異動に疲れ果てた末の自殺だったことがわかっている。
PSAは現在、5200人の希望退職者を募っており、個人的な問題に加えて将来への不安が、彼を死に追いやったのかもしれない。

フランス人といえば、バカンスばかりとって、仕事をしない国民だと思われている。実際、給料さえもらえれば、喜んで窓際に座って無為に過ごせそうな人はたくさんいるが、管理職の間では、仕事のストレスによる自殺が増えている。過剰な仕事ストレスが、管理職以外の職員、技術者にも広がって来ているようだ。