新型インフルはもう終わり

日本滞在を終えてパリに戻り、溜まった郵便物を開封していたら、あったあった、ワクチン無料接種の案内が! 

フランスでは年末、新型インフルエンザのワクチン接種を呼びかけるキャンペーンが大々的に繰り広げられたらしい。2回の接種が必要、という専門家の意見を聞き入れ、政府は税金で大量のワクチンを購入したが、実際、接種率はたいへん低かった。
ニュースを見ていたら、閑散としたワクチン接種医院の医師が、誰も来ない、と嘆いていた。1月11日には、保険大臣が、これまでの注文の半分をキャンセルしたというニュースが流れた。さもありなんだ。

世界的な新型インフル騒ぎは、はじめからなんとなくうさんくさかった。死亡率が通常のインフルエンザ同等かそれ以下なのに、なんでこんなに騒ぐのか。警戒レベルが段階的に引き上げられ、昨年6月には早くも最高の「フェーズ6」! 世界的大流行の宣言が、実態にあまりにそぐわないので、何か変だ、と思った人は多いだろう。しかし、批判の目をもたなくなって久しいマスメディアは、WHOの大宣伝に乗っかって、危機感をあおりたてるばかりだった。

すでに3週間前に、フランス公衆衛生ネットワークの医師は、新型インフルエンザはフランス都市部ではもう終わった、と発表。新型インフルの疑いで医師にかかった人は人口10万人あたり、130人。夏以来の罹患者は、650万人、死亡者は269人と、通常のインフルエンザ以下だった。そうこうするうち、WHOの製薬会社との癒着疑惑が浮上した。
http://www.asahi.com/international/update/0113/TKY201001130139.html

当然のことながら、ワクチンに無駄遣いした政府に対して批判の声があがる。これに対して、大統領や保険大臣が、必死に、税金を使用してワクチンを備蓄したことを正当化する。
「政府はこれでもまだ十分な対応をしていないくらいだ。ワクチンが十分でなかったら、皆さんどうおっしゃいますか?どこそこで死者が出た、それはワクチンをうっていない人だった、となれば、政府は何やってんだ、と批判するでしょう。政府は、国民を守るために、ワクチンを準備しておく義務があるのです」

「まずは疑ってみる」フランス人をこんな子供だましの言葉で説得するのは困難だろう。

ちょうど今頃、日本では全国民への接種が始まっているようだ。高齢の姉には、接種はしないほうがいいのでは、と言っておいた。素直な日本人はみな、接種をするのだろうか。