原子力について情報公開を求めるマーチ

30日土曜日、バスティーユで「日本と連帯し、原子力について情報公開を求めるマーチ」があった。参加者400-500人の小規模なデモだが、フクシマ以後何度かやっているようだ。脱原発ネットワークのパリの人たちが組織したもの。政党もきていたが、一般市民のほうが多いような気がした。デモはフランス原子力安全局の前でダイインして終了。ビデオの中で叫んでるのは「ノーモア・フクシマ」。
http://vimeo.com/23103486

夜、コンサートホールのサル・ガヴォーで開かれた「日本のためのコンサート」に行った。日本でも人気のピアニスト、ルイサダが提唱したものらしい。丸一日、100人の演奏家、俳優が参加して計5回コンサートが開かれ、収益はすべて赤十字に送られるという。私たちが買えたのは最終回のチケットで、久しぶりに堀米ユズコさんのバイオリンを聞いた。また、これまで知らなかった優れた音楽家を”発見”(私にとって)する喜びがあったものの、司会者(ホール支配人か)のおしゃべりが長過ぎて、少々耳障りだった。演奏家や作品、作曲家の紹介は簡単でいいではないか。日本のためのコンサートなのに、日本や被災者への思いが伝わる話はまったくでなかった。コンサート3時間の半分は、彼のおしゃべりだったと思う。もっと驚いたのは、
「大地震津波という自然災害に見舞われた日本の人たちを支援するためのコンサートを開くこととなりました」
という冒頭の挨拶に、フクシマのフの字も出なかったこと。へえー、と友人と顔を見合わせた。EDF(仏電力会社)に遠慮してるのかなあ、スポンサーになることもあるだろうし。
そのあと最初に登場したシルヴィ・ヴァルタン(おー、懐かしい名前だ)がフクシマの名を出したので少しは救われたがーー。

最近のフランスのメディアを見ると、フクシマが忘れ去られているように思われる。劇的な展開がないからかもしれないが、マスメディアが自己規制しているか、あるいは上から統制されている可能性もある。2012年大統領再選を狙う原発商人サルコジにとって、フクシマは大きなマイナス点になりうるからだ。