DSK事件、社会党内で陰謀説が浮上

きのうは、DSK(元IMFトップのドミニク・ストロス=カーン)釈放のビッグニュース。放射能汚染がないとされるトリカスタン原発事故は小さな扱いだった。

DSKについては前にも書いたが、性的被害を訴えたホテル従業員の供述にウソがたくさんあることが分かり、DSKの在宅逮捕は金曜日に解除された。裁判は継続されるが、被害者の偽証が明らかとなった今、レイプがあったか否か、を裁判で明らかにする必要は必ずしもなく、無罪放免となる可能性が非常に高い。

これを受けて早速、DSKの政界復帰に関するアンケート調査が行われた。復帰に賛成するフランス人は49%と、反対の45%を上回る。勢いづいたのが社会党だ。くすぶっていた陰謀説も、 小声ではあるが、 名前入りでメディアに出始めた。同党のフランソワ・ロンクルはこう言う。
「ソフィテル(フランスのホテルチェーンで、DSK事件の舞台となったホテル)とその持ち主ACCORグループの経営陣の振る舞いにはっきりしない点がある。事件の前か後に、 ACCORグループとフランスの策略家--必ずしも政界の高いところにいる人ではないだろうが--の間になんらかの連絡があった可能性がある」(リベラシオン紙)
DSKが逮捕された5月14日の23時45分、ACCORグループからパリの大統領府情報官に連絡があり、DSK逮捕の旨が伝えられた。しかしそれは、逮捕の1時間も前だった。また女性は、服役中の麻薬マフィアと電話連絡をした後、DSKを訴えることを決めるなど、マフィアとのつながりが深く、ホテルに巣食う売春グループに属していた可能性も指摘されている。ところがホテル側は、この女性が模範的従業員だった、と誉め讃えた。

同党の政治家の何人かは、サルコジ大統領が内相だった2006年、どういうわけかNY警察にレジオンドヌール勲章を与えていること、強面のNY警察がこの若い女性一人にうまく操られるなど、とても想像できないことだ、としている。

さあ、どのような展開になることか。