アレバとは国家権力なり

パリのサンドニ・スタジアムできのう、ミーティング・アレバという、核産業アレバがスポンサーの陸上競技大会があった。世界中から陸上競技選手が集まる国際的年中行事らしい。陸上競技のチャンピオンが、放射能汚染のチャンピオンから金をもらって集まる。こうして、アレバは「健康、クリーン」イメージを買うわけである。一般消費者向けの広告を必要としないこうした企業が莫大な広告費を出す場合、そうして作り出されるイメージの正反対が企業の実態である、と思えば良い。
脱原発グループが、大会に来る人にチラシを配るというので、くっついて行ってみた。スタジアムに来る人の大半は、アレバが何をする会社なのか知らないに違いない。福島で爆発したMOX燃料を売った会社だなど、知るはずもないだろう。
(「原子力に安全はない」)
待ち合わせの駅には、トランシーバーを持った私服警官が見え隠れしていた。スタジアム入口に通じる陸橋に上がると、機動隊が待ち構えていて、とおせんぼされ、横断幕とかチラシを持っている人がいたので、私たちはじりじり後退させられた。やがて長い護送車がやってきて道を塞いだ。まさか、そこに押し込められるとは思わなかったが、全員(20人くらい)が車内に連行されてしまった。移民のためのデモや、年金問題デモなどで逮捕された人たちも乗ったらしく、いろんなステッカーが貼ってあった。護送車にかなり長い間閉じ込められ、やっと車が動いたものの、警察署に着いてからも30分ほど、そこに閉じ込められたまま。その間、暖房がガンガン。息苦しく、汗だくだ。立ち去った警官がわざとオンにしたもので、拷問の一種かな。車に戻って来た警察に「病人がいる」と訴えて、暖房はやっと止めてもらった。その後、署内に連れて行かれ、ベンチに座っていると、
「日本人のグループか。福島に帰ってやれよ」
という警官がいた。日本人は4人だった。それからひとりひとり調書をとられて、でも、何も悪いことをしていないので、全員釈放!となった。
(護送車。余裕で新聞読む人もいる)
気の毒なのは、アレバに招待された地域住民の一人が、運悪く私たちのそばにいたので一緒に護送車に乗せられ、競技見物を逃してしまったこと。警察は強権的で有無を言わせない。彼女は入場チケットを見せたのに、だめだった。

アレバに反対するものは、国家を脅かすものらしい。アレバは国家権力そのものなのだ。