ミシュランの星

ミシュランの星つきレストランばかり崇めているわけではないが、発表されるとやはり気になってしまう。

3月6日に発売されるミシュランガイド・フランス2008年度版によると、2000年に三つ星を獲得したパリのグラン・ヴェフール(Le Grand Véfour フランス革命の5年前に創業した老舗で、インテリアがすばらしい) が星をひとつ失った。

17年前、30代前半の若さでここのシェフになったギー・マルタンの失望はいかばかりか、と思われるが、ミシュラン側は「ここ18ヶ月、三つ星に値する料理はなかった」「シェフはキッチンで何が起きているか、よく知っているはず。星がなくなるには必ず理由がある」と手厳しい。

このレストランで食べたのは、二つ星時代に一度、3年前に一度だけ。私が座ったのは、常連だったヴィクトル・ユーゴーの席だった(ちなみに、ヴィクトル・ユーゴーはいつも、ヴァーミセリとマトンの胸肉と白インゲン豆を注文したという)。2度とも、童顔のシェフがテーブルに挨拶に来て、たいへん感じがよかった。日本のカラスミを使った前菜は絶品だったが、いったいこの18ヶ月の間に何が起きたのだろう。

(写真は、2度目に行った時のテーブル。こんな場で食べ物の写真をとると、滅多に来られないバに来たことを白状しているみたいなので、常連のような顔をして食べたあとで撮影。アメ細工はレストランからの誕生日プレゼント)

いずれにしろ、この18ヶ月に食べた人は、3つ星の値段で2つ星の料理を食べていたことになる。
星にも時差があるので、ありがたがるにも自分の舌で確認しなくっちゃ。