アレバの放射性廃棄物シベリア投棄

パリ近郊バニョレのエコロジーグループのブログに、アレバ社の核廃棄物シベリア投棄について詳しい解説が載っている。隠れてやっているのではなく、正々堂々と核廃棄物をシベリア送りしているのは本当だった。以下、その抄訳。
http://www.bagnoletenvert.com/article-les-dechets-d-areva-stockes-a-8000-km-de-la-hague-a-tomsk-en-siberie-37576640.html

原子力産業は長い間、放射性物質の96%がリサイクル可能だと言ってきた。公害を生む他の産業が涙を流してうらやましがる数値である。きれいでリサイクル可能な原子力産業のおかげで、フランスはエネルギーの独立性を保っている、と誇ってきた。しかし現実には、毎年108トンの使用済み核燃料が、ルアーブル港から船でセントピータースブルグに、さらに鉄道でシベリアの町セヴェルスクに送られ再処理され、使用可能となった核燃料(10%)がフランスに戻されたあと、残りが現地に放置されているのである。8000kmのこの危険な長旅は1990年代なかばに始まった。
58原子炉を抱えるフランス電気公社EDFの使用済み核燃料は、アレバ社のラアーグ工場で再処理され、プルトニウム(1%)、再処理用ウラン(95%)、どうにもならない部分(4%)に分別される。これが、96%再生可能、という宣伝文句の根拠となっている。プルトニウムの一部は、MOX燃料となって、フランス58原子炉のうち22炉で使用されている。再処理用ウランは、さらに濃縮しても、最大10%しか再利用可能とならず、残り90%が廃棄物となる。アレバは「2040年に第4世代原発が実現すれば、この劣化ウランも使用可能となるから、廃棄物ではない」と主張するが、グリーンピースのロシア支部は「オレンジの絞りカスからまたオレンジジュースを絞ろう、という考え。理論上は可能だが、ジュースはもう取れないし、ロシアもそれをやる気がない。10%しか利用できず、90%が毒物不要物となるものは、廃棄物も同然だ」としている。(この再処理は技術的にフランスではできないため、ロシアでやってもらっている、とアレバはいうが、シベリア投棄を正当化するための口実ではないだろうか、と私は思う。)

セヴェルスク:トムスクの北西12km。現在の人口約10万人。1992年まで、地図に載らない秘密都市だった。原子炉、核燃料再処理工場、核兵器工場がある。今でも、外部の人間は特別の許可を申請しなければ入れない。1993年4月6日、高放射性液体容器が爆発する事故が起きた。